今回ご紹介する内容は、津島市在住の写真家である大石昌雄様からご提供いただいた写真に基づくものです。
今から125年前の明治24年10月28日に、岐阜県を震源として発生した濃尾地震により、この地方も大きな被害を受けました。
今回ご紹介する「大地震之実況」は、海部地域の古いお寺にあったものとのことですが、地震発生直後の11月に発行されたものであるため、今でいうところの被災地ルポタージュといえるでしょう。
ここですべての内容をご紹介することはできませんが、
・出版された
時点で震源地が岐阜県の根尾谷であることを把握していること
・当時の愛知県知事である岩村高俊が、地震の発生を受けて出張先である東京から帰ろうとしても浜松で足止めとなったこと
・明治天皇から被災者にお見舞金として三千円を下賜されたこと
・当時の松方正義総理大臣が11月1日に名古屋に入り、明朝には被災地を視察していること
など興味深い記事があります。
また津島市(当時は海東郡津島町)においても、69名が亡くなられ934戸の建物が倒壊したことなどが伝えられています。
津島の町家は濃尾地震により大きな被害を受けましたが、火災による被害はほぼ無かったため、多くは残った部材などを使って建て替えられ、現在に至っています。
(その後昭和19年の東南海地震、昭和21年の南海地震などM8を超える大きな地震もあったとのことですが、濃尾地震ほどの大きな建物被害は伝えられていません)。
当ページでは、こうした郷土の歴史も伝えていきたいと思います。